消費税とは その2 課税対象となる取引

この記事では、数回に分けて消費税を基本から見直していきます。今回は、課税対象となる取引の内容についてみていきます。

この記事は、平成25年6月1日時点での法律に基づいています。

消費税とは その1 消費税の仕組み

  1. 国内取引
  2. 輸入取引
  3. 非課税取引
  1. 国内取引

    以下のような取引は、消費税の課税対象となります。

    1. 国内において行うもの(国内取引)であること。
    2. 事業者が事業として行うものであること。
    3. 対価を得て行うものであること。
    4. 資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供であること。

    1. 国内において行うもの(国内取引)であること。

      消費税は国内取引に対して課税されますが、事業者が国内と国外に渡って取引している場合、以下の基準に基づいて、国内取引であるか国外取引であるかが判定されます。

      • 資産の譲渡又は貸付け
        資産の譲渡又は貸付けが行われる時において、その資産が国内に所在する場合は国内取引になります。ただし、譲渡又は貸付けの対象が船舶、航空機、特許権等の場合は、その船舶等の登録をした機関が国内に所在すれば国内取引になります。
        その資産が国外に所在する場合は、消費税の課税対象外(不課税取引)になります。
      • 役務の提供
        役務の提供が国内で行われた場合は、国内取引になります。ただし、運輸、通信その他国内と国外の双方にわたって行われる役務の提供などの場合には、発送地や到着地等の場所が国内であれば国内取引になります。
        その役務の提供が国外で行われた場合は、消費税の課税対象外(不課税取引)になります。
    2. 事業者が事業として行うものであること。

      事業者(法人・個人事業者)が事業として行う取引は課税対象となります。

      法人が行う取引はすべて事業になります。個人事業者の場合は、事業者の立場と消費者の立場を兼ねますので、事業者の立場で行う取引が事業に該当し、消費者の立場で行う資産の譲渡(例えば家庭で使用していたパソコンの売却など)などは事業ではありません。

    3. 対価を得て行うものであること。

      資産の譲渡等に対して反対給付を受ける(反対給付として対価を得る取引)場合は、課税対象となります。代物弁済、負担付き贈与、交換、現物出資等は、対価を得て行われる資産の譲渡に含まれます。
      寄附金や補助金のようなものは、通常は資産の譲渡等の対価に該当したいため課税対象にはなりません。また、無償の取引(みなし譲渡に該当するものは除く)や利益の配当、宝くじの当せん金等も同様に、課税対象にはなりません。

    4. 資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供であること。

      • 資産の譲渡
        資産とは、棚卸資産、機械装置、建物などの有形資産商標権、特許権などの無形資産など、取引(譲渡又は貸付け)の対象となるものをすべて含みます。
        売買や交換等の契約により、資産の同一性を保持しつつ、他人に移転することを、資産の譲渡といいます。
      • 資産の貸付け
        賃貸借や消費貸借等の契約により、資産を他の者に貸し付け、使用させる一切の行為を資産の貸付けといいます。資産の貸付けには、不動産、無体財産権その他の資産に地上権、利用権、実施権等の権利を設定する行為も含まれます。
        また、「資産を他の者に使用させる」とは、動産、不動産、無体財産権その他の資産を他の者に使用させること(レンタカー、貸倉庫、貸金庫の賃貸)をいいます。
      • 役務の提供
        請負契約、運送契約、委任契約、寄託契約などに基づいて労務、便益その他のサービス(請負、運送、宿泊、飲食、出演、広告、委任)を提供することを役務の提供といいます。
        また、税理士、公認会計士、作家、スポーツ選手、俳優、タレントなどによる、その専門的知識、技能に基づく役務の提供も含みます。
  2. 輸入取引

    「保税地域」とは、輸出入手続きを行い、また、外国貨物を蔵置し又は加工、製造、展示等をすることができる特定の場所をいいます。
    「外国貨物」とは、外国から国内に到着した貨物で、輸入が許可される前のもの及び輸出許可を受けた貨物をいいます。
    保税地域から引き取られる外国貨物は課税対象になります。

    保税地域において外国貨物が消費又は使用された場合には、その消費又は使用した者がその消費又は使用の時に外国貨物を保税地域から引き取るものとみなされ、課税対象となります。

  3. 非課税取引

    1. 非課税となる国内取引
      以下に挙げる13の取引については、消費税が課税されない「非課税取引」となっています。
      消費税は、消費一般に対して広く公平に負担を求める税です。このため、課税対象になじまないものや社会政策的な配慮から課税することが適当でない取引は、非課税取引として消費税が課せられません。

      ~税の性格から課税対象とすることになじまないもの~

      • 土地(土地の上に存する権利を含む)の譲渡及び貸付け(一時的に使用させる場合等を除く)
        「土地の上に存する権利」とは、地上権(空中地上権を含む)、土地の賃借権、地役権、永小作権等の土地の使用収益に関する権利をいいます(鉱業権、土石採取権及び温泉利用権は課税対象)。
        「一時的に使用させる場合等」とは、土地の貸付期間が1月に満たない場合及び建物、駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合をいいます(テニスコートや野球場の貸付けは課税対象)。
        土地(非課税)と建物(課税)を一括して譲渡した場合には、土地と建物のそれぞれの対価の額を合理的に区分することになります。
      • 有価証券、有価証券に類するもの及び支払手段(収集品及び販売用のものは除く)の譲渡
        有価証券とは、国債証券、地方債証券、社債券、株券、新株予約権証券、投資信託、貸付信託の受益証券、コマーシャルペーパー(CP)、抵当証券、外国法人が発行する譲渡性預金証書(海外CD)などをいいます。
        ただし、船荷証券、貨物引換証、倉庫証券や株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権等は課税対象になります。

        有価証券に類するものとは、証券の発行がない国債、地方債、社債、株式等、合同会社等の社員の持分、協同組合等の組合員や会員の持分等、貸付金、預金、売掛金その他の金銭債権などをいいます。

        支払手段とは、銀行券、政府紙幣、小額紙幣及び硬貨、小切手(旅行小切手を含む)、為替手形及び約束手形、信用状等などをいいます。
        ただし、収集品や販売用のものは課税対象になります。

      • 利子を対価とする貸付金その他の特定の資産の貸付け及び保険料を対価とする役務の提供等
        国債、地方債、社債、預金、貯金及び貸付金の利子、集団投資信託等の収益として分配される分配金、信用の保証料、保険料、共済掛金、手形の割引料、割賦販売等の手数料(契約においてその額が明示されているものに限る)、ファイナンス・リースのリース料のうち、利子及び保険料相当額(契約において利子又は保険料相当額が明示されている部分に限る)などをいいます。
      • 郵便切手類、印紙及び証紙の譲渡
        郵便局や印紙売りさばき所等、一定の場所における譲渡に限られます。
        また、郵便切手類等が収集対象として収集品販売業者等によって販売される場合は課税対象となります。
      • 物品切手等の譲渡
        商品券、ビール券、図書カード、各種のプリペイドカードなど、物品の給付、貸付け又は役務の提供に係る請求権を表彰する証書等をいいます。
      • 国、地方公共団体等が、法令に基づき徴収する手数料等に係る役務の提供
      • 外国為替業務に係る役務の提供

      ~社会政策的な配慮に基づくもの~

      • 公的な医療保障制度に係る療養、医療、施設療養又はこれらに類する資産の譲渡等
      • 介護保険法の規定に基づく、居宅・施設・地域密着型介護サービス費の支給に係る居宅・施設・地域密着型サービス等
      • 社会福祉法に規定する社会福祉事業等として行われる資産の譲渡等
      • 医師、助産師その他医療に関する施設の開設者による、助産に係る資産の譲渡等
      • 墓地、埋葬等に関する法律に規定する埋葬・火葬に係る埋葬料・火葬料を対価とする役務の提供
      • 身体障害者の使用に供するための特殊な性状、構造又は機能を有する物品の譲渡、貸付け等
        義肢、盲人用安全つえ、義眼、点字器、人工喉頭、車椅子等の一定の物品は対象となります。
      • 学校、専修学校、各種学校等の授業料、入学金、施設設備費等
      • 教科用図書の譲渡
      • 住宅の貸付け
        住宅とは、人の居住の用に供する家屋又は家屋のうち人の居住の用に供する部分をいい、一戸建ての住宅のほかマンション、アパート、社宅、寮等を含みます。
        また、契約において人の居住用であることが明らかにされているものに限られます。

        ただし、その貸付けに係る期間が1月に満たない場合、又はその貸付けが旅館業法に規定する旅館業に係る施設の貸付けに該当する場合(旅館、ホテル等)は除きます。

    2. 非課税となる外国貨物
      国内における非課税取引とのバランスをとるため、輸入取引(保税地域から引き取られる外国貨物)のうち、以下のものは非課税とされています。

      • 有価証券等
      • 郵便切手類、印紙、証紙、物品切手など
      • 身体障害者用物品
      • 教科用図書