Windowsの最新版(2013年2月時点)である「Windows8」は、タッチ操作などのユーザーインターフェースが大きく進化を遂げただけでなく、機能面でも格段に向上しました。今回は、Windows8の新機能を紹介しながら、Windows7やWindowsXPとの違いを見ていきます。
- スタート画面の変化
まず目に付くのは起動後に表示されるスタート画面です。従来のWindowsでは、デスクトップが表示されていましたが、Windows8では画面上に色とりどりの四角い枠(タイル)が表示されます。それぞれのタイルは、「メール」「カレンダー」「地図」「メッセージング」「フォト」などのアプリケーションであり、タッチパネル機能を持つパソコンやタブレットであれば、これらのタイルをタッチして起動することができます。まるでiPadのようですね。
また、最新のスケジュールやメール、株価などがタイル上でリアルタイムに表示することもでき、それらは「ライブタイル」と呼ばれます。
さらに、「Windowsストア」に接続すれば、オンラインでアプリケーションを購入することもできます。
これだけ聞くと、いかにもiPadに対抗したコンシューマ向けOSと思ってしまいますが、ビジネス向けにも考慮されており、従来のWindowsと同様のデスクトップ画面を開き、マウスやキーボードを使用することもできます。
- 起動時間の高速化
Windows8の起動は、Windows7の約2倍、WindowsXPの約2.8倍と大幅に高速化されたと言われています。もちろん、個々のハードウェア環境などにより変わりますので過剰な期待はできませんが、メリットには違いありません。 - バックアップの強化
必要なファイルを1時間ごとに自動バックアップする「ファイル履歴機能」が搭載されました。ファイルをバックアップする手間が省けるだけでなく、変更されたファイルのみバックアップされるので所要時間が短くなっています。 - セキュリティの強化
パソコンを紛失したときの情報漏えいを防ぐため、ハードディスクを暗号化する「ビットロッカー(BitLocker)」が、Proエディション以上で標準装備されました。Windows7では、最上位のEnterpriseエディションのみ装備されていましたが、Windows8ではビジネス向けのエディション全てで利用できることになります。
その他、スパイウェアからパソコンを保護する「ウィンドウズディフェンダー(Windows Defender)」や「トラステッドブート(Trusted Boot)」、社内で使われているアプリを一括管理する「アップロッカー(AppLocker)」(Enterpriseエディションのみ)など、新機能が装備されています。
- ActiveDirectoryとの連携
ProエディションとEnterpriseエディションでは、「ActiveDirectory」との連携が可能です。既に「ActiveDirectory」環境が構築されていれば、Windows8導入と共にそのまま移行することができます。 - タブレットを集約
スマートデバイスの普及に伴い、営業マンにパソコンとiPadなどのタブレットを2台持たせる企業が増えています。導入コストが増えるのはもちろんのこと、管理コストもバカになりません。Windows8搭載のデバイスであれば、パソコンとタブレットの2役で使えるコンバーチブル型パソコンが登場しており、タブレットとして使用しながら、ActiveDirectoryの管理下に置くことも可能になっています。
このため、導入コストや管理コストも削減でき、営業マンも重いパソコンとタブレットを2台持つ必要が無くなります。
- 節電効果
企業において節電の重要性が謳われている昨今ですが、WindowsXP搭載のパソコンをWindows8搭載の最新パソコンに入れ替えることで、大幅な節電効果が見込まれると言われています。長時間パソコンを稼動させることが多いビジネスユースでは、節電効果はバカになりません。パソコンを交換する際には、考慮したほうがいいかもしれません。